企画展「李晶玉　神話#2」が開幕しました。
在日朝鮮人3世である作家が、日本・韓国・北朝鮮の三つの国の神話をベースに制作した作品を展示しています。

日本は《天岩戸》。太陽神である天照大御神が天岩戸に隠れ、世界が暗闇に包まれたという神話です。

韓国は《都祈野》。日月の精である延烏郎（ヨノラン）・細烏女（セオニョ）の夫婦が海岸にあった大きな岩に乗って日本に渡り王になったという伝説です。

北朝鮮は《白頭山》。朝鮮民主主義人民共和国の建国の土台となっている金日成の神話を引用しています。これら三つの神話はいずれも「太陽が隠れる神話」といえます。

李晶玉さんは日本の東京生まれですが、戦時中に渡日した祖父の故郷は韓国、李さんの属する朝鮮総連は北朝鮮を祖国とする共同体という三つの国の境界的な立ち位置にいます。

「三つの舞台でそれぞれ衣装を着る人物は作家自身であるが、いずれも観光地の顔出しパネルのような軽薄さで演じている」というシリーズ。

12月3日（日）午後2時からは、インディペンデントキュレーターの長谷川新さんをお迎えして、「虚構と現実のあいだで」と題するトークを行います。
参加1500円（エクレア、飲みもの付）、定員35名、事前予約制。
ご予約はこちらの申し込みフォームからお願いいたします。