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橋本トモコ 川を歩く
2022年4月29日(金/祝)~7月24日(日)
2年前の冬、私はビルスリバーのほとりにいた。ビルスリバーは、スイス・バーゼルを流れる小さな川で、ドイツとの国境、ライン川に流れ込む。滞在場所から自転車でビルスリバーまで行き、ほとりに停め、川沿いの小道を歩いた。Google Mapを見ながら前日の最終地点まで自転車を走らせて、そこからまた、昨日の続きを歩く。そうして少しずつ、街を離れ、住宅街を抜けて、森の中を上って行く。枯れ木の間から息を呑むような美しい川が見える。まるでオフィーリアが浮かぶ絵のような、そんな川が本当にあるのだ。
鼻の奥が痛くなるような冷たい空気と、頭がしびれるような孤独と自由。眼前に広がる川のイエロー、グリーン、ブルー。
川を歩きながら考える。やがて、オフィーリアも底に沈み、水に溶けていくだろう。私も、そこにあるものもすべて、いつかは朽ちて、水となっていく。水は大地に深く沈み、川になり海になり雨になって、私の知らない命に降りそそぐ。
季刊誌『NANAWATA NOTE 10』に掲載した作家インタヴューは、こちらからご覧いただけます。

橋本トモコ プロフィール
1969年千葉県に生まれる。1996年多摩美術大学大学院美術
関連イベント
2022年6月5日(日)午後2時開演(午後1時開場)
トーク「時空をめぐる、時空をつくる」
- ゲスト
- 野田尚稔(世田谷美術館学芸員)
- 料金
- 1500 円(エクレア、飲みもの付)
- 定員
- 30名=終了しました
野田尚稔 プロフィール
世田谷美術館学芸員。主な担当展覧会は「クリエイターズ――長大作/細谷巖/矢吹申彦」(2006年)、「建築がみる夢――石山修武と12の物語」(2008年)、「橋本平八と北園克衛展」(2010年)、「榮久庵憲司とGKの世界――鳳が翔く」(2013年)、「ブルーノ・ムナーリ――役に立たない機械をつくった男」(2018年)、驚異の三人!! 高松次郎・若林奮・李禹煥――版という場所で(2021年)など。
(写真撮影:金田幸三)
橋本さんと野田さんのトークの抄録は、こちらからお読みいただけます。
交通アクセス

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TEL:049-237-7707 FAX:049-237-7708
メール:info@nanawata.com
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東武バス06系統(川越駅東口発、本川越駅経由)「松江町二丁目」徒歩1分
東武バス01系統(川越駅東口発、本川越駅経由)「仲町」徒歩4分
駐車場:提携駐車場(らくだプラザ)あり
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