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中澤安奈 新しい日を賛美う

2023年4月29日(土)~7月30日(日)

10才の時、時計の秒針を見ていて「今の一秒は永遠に戻ってこないんだ」と気づき、自分がいつかこの世から消える存在であることを初めて自覚しました。死ぬのになぜ生きているのか?という問いに、答えを見出せず、底のない絶望に落ちてゆく気がしました。宇宙で最も孤独だと感じました。生きている意味がない、死にたい、と布団に突っ伏して泣き続けていたら、ふと、日曜日に母が読んでいた聖書を思い出しました。「あの分厚い聖書なら何かあるかもしれない」。聖書を開くと、詩篇4:3がそこにありました。
それは、私のそのままの姿に語りかけた創造主のことばでした。
自分は、神様に知られている。神様は遠い存在ではなくて、今ここにおられる、とはっきりと強く感じた瞬間でした。救われた、と思い、温かい涙が溢れ出てきました。

素材は、神様のことばでできている、と思います。自然の奥底には神様の呼びかけがある。その呼びかけに応じるように、いつまでも彫っていきたい。


—知れ。

主は、ご自分の聖徒を特別に扱われるのだ。
私が呼ぶとき、主は聞いてくださる。
恐れおののけ。そして罪を犯すな。
床の上で自分の心に語り、静まれ。
             —詩篇4:3

 



季刊誌『NANAWATA NOTE 14』に掲載した作家インタヴューは、こちらからご覧いただけます。

中澤安奈 プロフィール

1988年横浜市生まれ。2012年東京藝術大学美術学部彫刻科卒業、2014年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専科修了。2012年荒川区長賞(卒業制作買い上げ)、2014年東京都知事賞、2016年第9回秀桜留学基金(受賞辞退)、2017年第53回神奈川県展 美術奨学会記念賞、2018年第14回大分アジア彫刻展優秀賞、2022年第71回神奈川文化賞未来賞。主な個展に2016年『未だ見ぬ知へ』/ギャルリー志門(銀座)、2022年『祈りの淵から』/大塚美術(南青山)など。グループ展多数。横浜市立大学付属市民医療センター・小児病棟 ホスピタルアート・天井画(2017年前田麻里氏と共同制作)。装丁表紙に『水俣から~寄り添って語る~』、『水俣へ~受け継いで語る~』(ともに岩波書店)。

関連イベント

6月18日(日)午後2時(開場午後1時)

トークイベント「彫刻と生きる」

  • ゲスト
    石崎尚(愛知原美術館学芸員)
  • 料金
    1500円(エクレア、飲みもの付)
    定員
    35名(終了しました)
石崎尚 プロフィール

1977年、東京都三鷹市生まれ。2002年、多摩美術大学大学院修了。世田谷美術館、目黒区美術館を経て2012年より愛知県美術館学芸員。共著に『ぺらぺらの彫刻』(武蔵野美術大学出版局、2021年)ほか。共訳書に『ART SINCE 1900 図鑑1900年以後の芸術』(東京書籍、2019年)、『彫刻の歴史: 先史時代から現代まで』(東京書籍、2021年)など。専門は近現代彫刻史と日本の戦後美術。

 

  


中澤さんと石崎さんのトークの抄録は、こちらからお読みいただけます。

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駐車場:提携駐車場(らくだプラザ)あり

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