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母袋俊也 《ta・KK・ei 2020》―「奇数連結」再始動―

2020年11月6日(金)~2021年1月31日(日)

グリューネヴァルトの《磔刑図》という絵画があります。16世紀はじめ、ドイツのイーゼンハイムで、ペストなどの治療を行う施療院のために描かれた名作です。
絵画と精神性について探求を続ける母袋俊也は、西洋の祭壇画が「奇数連結」であり、東洋の障屏画が「偶数連結」であるという形式の違いに着目し、現代美術版の磔刑図とも言うべき3枚組の絵画《ta・KK・ei》を1998年に制作しました。
そして2020年、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行するなか、画家は新たな《ta・KK・ei》に取り組みました。22年ぶりとなる「奇数連結」の絵画の再始動です。
揺らぐ世界の現実に、絵画はどう対峙するのか。私たちの前に、新たな「像」が浮かび上がります。

 


 

季刊誌『NANAWATA NOTE 04』に掲載した作家インタヴューは、こちらからご覧いただけます。

母袋俊也 プロフィール

1954年長野県生まれ。東京造形大学名誉教授、嵯峨美術大学客員教授。1978年、東京造形大学絵画専攻卒業。1983年から1987年までフランクフルト美術大学絵画・美術理論科でライマー・ヨヒムス教授に学ぶ。「絵画におけるフォーマートと精神性」を制作・理論の両面から探求、近年は「絵画・像の現出する場、位置」に対する関心を深め制作展開している。
主な個展に「風景・窓・絵画 アーティストの視点から:母袋俊也の試み」(埼玉県立近代美術館 常設展特別展示、2006年)、「母袋俊也 Koiga-kubo 1993/2017 そして〈Qf〉」(奈義町現代美術館、2017年)、「母袋俊也 浮かぶ像―絵画の位置」(東京造形大学付属美術館、2019年)。著書に『絵画のための見晴らし小屋』(BLUE ART、2017年)、『母袋俊也 絵画』(BLUE ART、2017年)、『絵画へ 1990-2018 美術論集』(論創社、2019年)。
2020年10月に『母袋俊也作品集 浮かぶ像―絵画の位置』(現代企画室)を刊行。

母袋俊也ウェブサイト

関連イベント

12月26日(土)16:30(16:00開場)

トーク「《ta・KK・ei》の前で」

  • ゲスト
    柿木伸之(哲学・美学)
  • 料金
    1500円(エクレア・ドリンク付き)
    定員
    20名 ※終了しました
柿木伸之 プロフィール

1970年鹿児島市生まれ。広島市立大学国際学部教授。著書に『ベンヤミンの言語哲学―翻訳としての言語、想起からの歴史』(平凡社、2014年)、『パット剥ギトッテシマッタ後の世界へ―ヒロシマを想起する思考』(インパクト出版会、2015年)、『ヴァルター・ベンヤミン―闇を歩く批評』(岩波新書、2019年)。訳書に『細川俊夫 音楽を語る―静寂と音響、影と光』(アルテスパブリッシング、2016年)、テオドール・W・アドルノ『自律への教育』(共訳、中央公論新社、2011年)など。

 

★会期中、11月29日(日)と12月26日(土)午後2時からは、ヴァイオリニストの戸島さや野によるバッハの6つの無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータのソロ公演が行われました。

 

 

母袋さんと柿木さんのトークの抄録は、こちらからご覧いただけます。

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